幼稚園受験と並んで「お受験」と言われる小学校受験。お受験というのは、世間からの「小さいのに無理して勉強させて」「親の見栄とエゴだ」などといった揶揄や批判も含まれる言葉です。確かに何も考えずとにかく見栄えのいい名門校に入れよう、そういって無理矢理詰め込みをしてしまう親御さんがいるのも事実ですし、体力も集中力もまだ十分でない低年齢児のうちの勉強は無理をさせないように気を使う必要もあります。しかし、きちんとした目的を持って小学校を受験することには受験をする本人にとって数多くのメリットがあり、一概に批判されるような弊害のある行為ではありません。高校や大学など年齢が上がってからの受験との相違点などを踏まえて、我が子にとって必要かどうか、目的がしっかりしているか見極めて受験に臨みましょう。
受験で以降の学習をスムーズにできる
小学校受験の場合、受験する当人はまだ6歳程度です。当然大学受験生のように自分で学習のペースを作ったり塾を選んだりもできません。しかし、ある程度は周囲のおぜん立てがあったとしても長いスパンで入試という目標に向かって計画を立て、実行していくという経験をしておけば以降の中・高・大学・その他の資格試験を受ける際に有利に働きます。また、一日に何時間か机に向かう学習習慣づけやノートの取り方を学ぶ、文字や数式を明瞭に書いて読み取りのミスを減らすなど、その後学年が上がってからの学習の基礎となる部分はこの時期に身につきます。小学校で受験は終わり、あとはもう大学までエスカレーターというケースはあまりありませんので、受験をひとつの動機づけとしてこれらをしっかり身につける、そういった目的があれば小学校の入試に挑むことは本人の財産になりうると言えます。
受験をした子たちの間で育つことのメリット
朱に交われば赤くなるという言葉通り、とくに低年齢のうちは周囲の環境や友達に影響を受けやすいものです。学習への態度も同様で、周りが勉強しない子ばかりではなかなか本人も机に向かう気になれないでしょう。小学校を受験し見事に合格した場合、当然ですが同級生たちは皆受験を勝ち抜いた子たちです。優秀さもそうですが、何よりきちんと与えられた作業をこなす丁寧さや、筋道を立てて考える力などを備えています。こういった子たちに囲まれ、また国立大附属小学校などや有名私立小学校のアカデミックで特別なカリキュラムを受けることで無理強いでなく自ら勉強に興味を持ち、その後難易度が上がっていく中学・高校の授業にも自力でついていく力が備わります。いずれにせよ勉強は小学校の受験で成功して終わり、というわけにはいきません。大学受験やその先を見据え、学力だけでなく学ぶ姿勢を身につける目的を持っている方は小学校受験を検討してみてはいかがでしょうか。